DAY24



空の色は暮れ始め、薄まる夕焼けの向いで青く星が覗き始めていた。
穏やかに風が凪ぐ中で海底の探索とは別にして、沖の方へと船を出していた。

スキルストーンを使い海中へと潜り
しばらく辺りを探ったのち波間へと戻り、船の上に上がる。


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ハンス
「……何か見つかりましたか?」


裾を払い髪を乱暴に掻き上げるヤグヤグに助手の男が穏やかに問う。

本来であればひとり船を出すつもりでいたが、それを助手の男に止められた。
自身を案じる言葉がやけに煙たく、仕方なしに同乗を許したのだった。


探索協会から装具の支給をされていない彼がこの海へ向かう船に同乗をしたところで
有事の際にはどうともならないであろうにと。
唇の内で悪態をついて。それから、問いかけられた言葉には
聞こえるほどに大げさなため息を一つ吐き出した。


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ハンス
「もうじき辺りも暗くなります。
その前には浜へと戻りましょう。」


ため息を吐き出すヤグヤグへ助手の男は変わらずに穏やかに言った。

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ヤグヤグ
「いいや。まだもうしばらく辺りの視察を続けたい。
あまり邪魔ばかりをしないでくれないか。」


煙たげにヤグヤグが答えるのを聞けば助手の男は小さく肩をすぼめるようにして息をつく。
一度唇を開き、迷うようにしてから声を出す。


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ハンス
「いいえ。もう、戻りましょう。
……あの魚を探すのでしょう。」


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ハンス
「探求を止めるように言う事は助手として間違っているのかもしれませんが……
私は、あの魚へ関わるのは……あまり気が進まないのです。

……夢を見たような事だと諦めたほうが良いのではないでしょうか。」



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ヤグヤグ
「……よくもまあ、簡単に言えたことだ。」


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ヤグヤグ
「夢だなどと言えた事か。
私はこの海で確かに船を見た。それから、そこへ泳ぐ彼女の姿を。
彼女はまだ、確かにこの海にいる。それを見つけなければならない。」


波間を見つめる眼差しは何処か遠くを見るようだった。
押し殺したような声色で答えたヤグヤグの顔を、助手の男は何処か不安げな瞳をして見つめる。

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ハンス
「彼女とは、あの魚のことですか。」

そう助手に問われた言葉に思わず何処かではっとする。
それから答えを返さずいると彼は、帰りましょうと、再び零した。



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ハンス
「ああ、夕食の事を忘れていました。
夕食には……そうだ。キッシュを焼きましょう。
クリームチーズをたっぷり入れて……。」


そう穏やかに言いながら助手の男は船の先を浜の方へと向けた。








  • 最終更新:2017-09-09 20:02:00

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